「議論はいけない」というほうがおかしい

yuu

2006年10月23日 03:50

先日、麻生外務大臣が、「核武装について議論したほうがよい」との主旨の発言をしましたね。
それについて、野党やマスコミなどから反論がありましたね。
(引用開始)
核保有議論:与野党から麻生外相批判
 麻生太郎外相は18日、日本の核保有について「議論は大事だ」と答弁したが、政府は非核三原則を維持する立場を繰り返し表明しており、核保有論が現時点で広がりを見せる状況にはない。ただ、北朝鮮の核実験を受け欧米などから「日本の核武装」への懸念が出る中、自民党の中川昭一政調会長が同様の発言をして批判を集めたばかりでもあり、軽率な発言との指摘は免れそうにない。
 麻生外相は答弁で「非核三原則の維持」にも言及しており、核保有自体を容認した発言ではない。しかし、国際社会が日本の核武装を歓迎する状況にない中で、外相発言は、中国、韓国を含め「衣の下のよろい」を連想させ、緊張感を強める恐れがある。唯一の被爆国として核廃絶を訴えてきた日本の立場を損なう可能性もある。
 外相発言について、安倍晋三首相は「(外相も)記者会見では非核三原則を徹底することについて発言している。閣内不統一ということはない。終わった議論だ」と記者団に語ったが、いらだちは隠せなかった。与党内では、谷垣禎一前財務相が「微妙な情勢のなかでは、政治家は間違えたメッセージを発しないよう考えるべきだ」と述べるなど、「核保有議論」発言には批判が根強い。
 一方、民主党の小沢一郎代表は「外相や(自民党の)政策担当者が、核問題という政治的に影響を及ぼす問題を勝手にしゃべるのは考えられない」と批判。国民新党の亀井静香代表代行は「核武装に向け日本が理論武装を始めるのではないかと取られてしまう。子供以下だ」と切り捨てた。【中田卓二】
毎日新聞 2006年10月19日 3時32分
(引用終了)


このことで、一番重要なことは、

麻生大臣の発言は、「日本が核武装することについて議論すること」です。
「議論」ということばのいみはこちら

いくら外務大臣の発言とはいえ、なぜそれが「核武装すること」につながってしまうんでしょう。
「民主」を標榜する政党の代表が、「(核兵器武装について議論することについて)喋るのはよくない」というのは、どうかと思います。

むしろ、民主主義の国ではごくごく当たり前すぎる発言。それを問題視するほうがおかしいです。

マスコミについても、似たようなことがいえます。
たとえば、朝日新聞。

(引用開始)
平成18年10月20日 社説
「核」論議 外相の答弁は不適切だ
 なんとも危うく、不見識な発言だ。核兵器の保有に関する麻生外相の国会答弁は聞き捨てならない。
 「隣の国が(核兵器を)持つとなった時に、一つの考え方としていろいろな議論をしておくのは大事だ」
 「無知なままいくより、きちんと勉強した上で持たないというのも一つの選択だ」
 日本も核兵器を持つべきかどうか。そんな議論を始めようということなのか。
 外相の指摘を待つまでもなく、この問題はすでに自由に論議されている。「核の抑止力」は国際政治を論じるうえで中心テーマのひとつだ。
 むろん、国内では核保有への反対論が主流だが、政治学者らのなかには、日本が核武装を論議するだけでも中国や米国を牽制(けんせい)できるという意見もある。
 しかし、外相という立場でこの論議を後押しするような発言をするとなると、話は別だ。
 政府の立場は「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則を維持することで一貫している。安倍首相も「この話はすでに終わった議論だ」とはっきり語っている。
 なのに、その政府で外交政策の責任者をつとめる人物が「議論を」と言えば、では日本は政策変更を考えているのか、と受け取られる恐れがある。間違ったメッセージを世界に発しかねない。
 さきに自民党の中川昭一政調会長が同様の発言をしたとき、そのニュースは世界各国で報じられた。北朝鮮が持てば、次は日本か、韓国かなどと「核ドミノ」の懸念が語られている時である。注目を集めるのは当然だ。
 麻生氏の発言は、ここにもうひと波乱起こそうということなのだろうか。非核三原則は守ると言いつつも、この時期に、そんな危うい発言を繰り返す外相の見識を疑う。
 いま、国際社会は北朝鮮に核を放棄させるため国連の制裁決議で結束し、圧力をかけようとしている。ライス米国務長官は日本、韓国、中国を駆けめぐる。中国の唐家シュワン国務委員らは平壌に乗り込んで、金正日総書記の説得にあたった。懸命の外交努力が続いているのだ。
 そのときに日本の外相が核について語るべきことがあるとすれば、それはなぜ日本は持たないかという、核不拡散にかける思いのはずだ。核保有の問題をもてあそぶかのような発言は慎むべきだ。
 批判に対し、麻生氏は「言論を封殺するという考え方にはくみしない」などと答えた。話をすり替えてはいけない。外相や自民党政調会長といった、政府与党の重い立場にある人の発言として不適切だと、その内容を問うているのだ。「言論の自由」を振りかざす問題ではない。
 北朝鮮にどうやって核を手放させるのか。世界が知恵を絞っている時に、政府与党から方向違いのメッセージが出され、誤解を招くのは迷惑だ。
(引用終了)


思いきった主張されていますねw

> 日本も核兵器を持つべきかどうか。そんな議論を始めようということなのか。
はい、その通りですが、何か?

> しかし、外相という立場でこの論議を後押しするような発言をするとなると、話は別だ。
議論しちゃまずいんですか?
朝日新聞が核武装反対で、核武装賛成の意見に対して批判するのならわかりますが、その双方の意見をぶつけ合うことにも反対なんですね。

>非核三原則は守ると言いつつも、この時期に、そんな危うい発言を繰り返す外相の見識を疑う。
いや、危ういのは、「議論」にすら反対する民主(?)党や、朝日新聞ですよ。

>「核保有の問題をもてあそぶかのような発言は慎むべきだ。」
この問題についてもてあそんでいるのは朝日の社説のように思えますね。
それを言うんだったら、麻生外相の発言を弄ぶのは慎むべきだ。>朝日新聞

>批判に対し、麻生氏は「言論を封殺するという考え方にはくみしない」などと答えた。話をすり替えてはいけない。
問題のすり替えをしているのは、あくまで、非核三原則を守るといった麻生外相に対して、"その政府で外交政策の責任者をつとめる人物が「議論を」と言えば、では日本は政策変更を考えているのか、と受け取られる恐れがある。" といっている朝日新聞でしょう。

>「言論の自由」を振りかざす問題ではない。
うわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ここまでいっていいのだろうかw。

朝日新聞のサイトには以下のような記述があるのですが、

朝日新聞・綱領(http://www.asahi.com/paper/editorial20061020.html
不偏不党の地に立って、言論の自由を貫き、民主国家の完成と世界平和の確立に寄与す。

朝日新聞行動規範(http://www.asahi.com/shimbun/honsya/j/compliance.html
《基本方針》
「私たちは、新聞づくりの理念を定めた朝日新聞綱領にのっとり、高い倫理観をもち、言論・報道機関としての責務を全うすべく努力します。国民の知る権利に応えるため、いかなる権力にも左右されず、言論・表現の自由を貫き、新聞をはじめ多様なメディアを通じて公共的・文化的使命を果たします」

朝日新聞は、「不偏不党の地に立って、言論の自由を貫き、民主国家の完成」に寄与するという一方で、(自分たちにとって都合が悪い)政治家にとっての「言論の自由」は踏みにじるのですかそうですか。

この社説書いた方は、政治家の「言論の自由」を踏み躙っていることにすら気づいてないでしょうね。

私は、誰からなんと言われようが、麻生外相の発言を支持します。
麻生氏は「言論封鎖」といっていますが、朝日新聞の社説は、朝日新聞自らが唱えている綱領や行動規範の対極にある「言論弾圧」です。

朝日新聞のようなマスコミに屈することなく、政治家が今までよりも活発に核兵器に関しての議論が交わせる国になってほしいですね。
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