どうなる下地島?

yuu

2006年02月18日 00:01

沖縄の基地問題の議論の中で、解決に向けた案としてあがるのが、下地島(宮古島市)にある空港を基地として使うということです。

最近、自衛隊からそのことに関する見解が発表されました。

そして、地元紙がさっそく社説で取り上げていますね。
ではでは、本日の地元紙の社説を見てみましょう。

~引用開始~

沖縄タイムス 平成18年2月17日 社説
[下地島空港軍事化]
一司令の見解では済まぬ

 航空自衛隊那覇基地の滝脇博之司令が、下地島空港は自衛隊が使用することが望ましいと述べたという。
 滝脇司令は中国の軍事費の増大やロシア製戦闘機の導入などに触れたあと、「中国は沖縄地域における自衛隊にとって非常に脅威だ」と指摘。同空港について「インフラ整備をして何かあったときに展開、配備をしておくことが有効ではないか」と話している。
 これは対中国戦略として自衛隊を前方展開させるべきだ、と言っているのに等しい。
 記者懇談会とはいえ公の場での発言である。自衛隊員の行動に対し政治によるコントロールが効かなくなっているのではないのか、という危惧の念を抱かざるを得ない。
 滝脇司令が、同空港建設の際に国と県で交わした「民間利用以外は認められない」とする「屋良覚書」を知らないはずがない。
 今回の発言は、そのことを知ったうえで、あえて軍事的合理性を持ち出したといってもいいのではないか。
 「南西諸島有事」の問題で防衛庁は、尖閣列島への中国の「侵攻」を前提に、本土から戦闘機や護衛艦の派遣に加えて五万五千人の陸上自衛隊、特殊部隊を動員するという計画を庁内で協議したことがある。
 これはまた、二〇〇四年十二月に決定された「防衛計画の大綱」(新防衛大綱)で中国を新たな脅威と位置づけたこととも無縁ではなかった。
 「中国脅威論」を叫ぶことで下地島空港を「前方展開基地」として利用しようとする自衛隊の論理は、伊良部島民だけでなく宮古島市民の「空港の平和利用」という夢を打ち砕くものであり、容認するわけにはいかない。
 自衛隊の下地島空港利用は、米軍との共同使用の布石にもなりかねない。
 中国脅威論を理由に米軍との軍事同盟を一層強化し、自衛隊の活動範囲を広げるとしたら、平和憲法の理念にも抵触してくるはずだ。
 小泉純一郎首相の靖国参拝における歴史認識の問題でぎくしゃくした日中関係ではあるが、隣国を仮想敵国とし侵攻まで想定するのは警戒と緊張を高めるだけであり、中国からの反発もでてこよう。
 地方部隊の司令がここまで発言できるのは、政治によるコントロール、つまり文民統制が形骸化しつつあることを示しているのではないか。
 近年は統合幕僚長の設置など制服組の役割拡大を含め「戦う自衛隊」への脱皮が目立つ。文民統制は過去の歴史に学んだ上での遺産だ。たがが緩んでいるとしたら、政治の責任は重い。

~引用終了~

~引用開始~

琉球新報 平成18年2月17日 社説
下地島空港・軍事化は容認できない
 航空自衛隊那覇基地の滝脇博之司令が、下地島空港の基地化を望む見解を表明した。中国の脅威を理由に、対抗措置としての考えを示したものだ。空自幹部が、同空港の基地化を望む見解を公式の場で表明するのは初めてだ。
 県管理の同空港は、沖縄が返還される際の1972年に、当時の屋良朝苗県政と国が「軍事利用はしない」とする覚書を交わしており、今でも変更されていない。民間以外の利用は認めないというのが、この覚書だ。
 伊良部町議(当時)らが自衛隊誘致に動いたことがあったが、町民の強い反対に遭い、実現しなかった。
 こうしたことを知った上での発言だ。踏み込み過ぎで、制服組として暴走し過ぎではないか。発言の真意を測りかねるし、無責任な発言として許し難い。
 滝脇司令は、中国の軍事費の伸び、最新鋭戦闘機導入などを挙げて、「沖縄の自衛隊にとって脅威だ」との認識を示した。軍事基地化する際は、海自那覇基地のP3C対潜哨戒機やF4ファントム戦闘機の一部移駐や訓練の一部移転などの実施を挙げた。
 確かに、軍事費の伸び率や海軍戦力の増強など中国が脅威とうかがわせる側面は否定できない。
 ただ、日本の防衛白書も新防衛計画大綱も、中国の軍備動向に警戒感を示しながらも「脅威」との認識は避けている。滝脇司令が明らかにした那覇基地へのF15戦闘機の配備や下地島空港の防衛拠点化については、防衛庁も明言していない。いたずらに中国を刺激することに配慮してのものだ。滝脇司令の発言は、政府の公式認識を踏み外しており、危うさを感じる。
 中国脅威論をめぐっては、無責任な発言が相次いだ。
 昨年12月、民主党の前原誠司代表が「中国は現実的に脅威」と発言したのに続き、麻生太郎外相も、脅威との認識を示し、悪化したままの日中関係にいっそう水を差した。
 脅威が脅威を生み、その脅威に対抗するため、新たな軍事基地、装備を準備する。そうなると、歯止めがなくなっていくだけだ。
 滝脇司令は、「予想される中国との摩擦は政治・外交で考えるべきだ」と述べている。この予想される摩擦の一つは、「脅威論」による軍事増強がもたらすものではないのか。
 滝脇司令の「脅威」発言は日中関係をさらに泥沼化させないか、深い危惧(きぐ)を抱かざるを得ない。
 下地島空港については、県も地元も、民間の平和利用しか認めていない。それを突き破ろうとする考えはとうてい受け入れられない。地元、そして日中関係をさらに混乱させる発言には怒りを覚える。

(2/17 9:31)

~引用終了~

いったいどこの国の新聞なのでしょう?
はじめに思ったことでした。

それにしても・・・・・、論調が非常にそっくりですねー。
もし、社名を逆にしてしまっても、指摘されないと気づかないかもしれませんwww。


ではでは、つっこみいきます。

> 「中国脅威論」を叫ぶことで下地島空港を「前方展開基地」として利用しようとする自衛隊の論理は、伊良部島民だけでなく宮古島市民の「空港の平和利用」という夢を打ち砕くものであり、容認するわけにはいかない。
もし、宮古や八重山などが攻撃されても、「平和利用」とか寝言をいうんでしょうかね。「平和利用」と仰る方々はそのまま何もせず、下地島を攻めた国の軍事基地となっても黙っているんですかね。

最悪の事態のことも考えられず無責任に「平和利用」とかいうスローガンにしがみつく連中の夢など打ち砕かれてしまえ。

>小泉純一郎首相の靖国参拝における歴史認識の問題でぎくしゃくした日中関係ではあるが、隣国を仮想敵国とし侵攻まで想定するのは警戒と緊張を高めるだけであり、中国からの反発もでてこよう。
その隣国が、自分なんかに都合悪いことは報道するなとか言いがかりつけてきたり、軍事費増やしたり、「青少年への有害な情報を制限」とか言い訳してインターネットまで検閲しているのは無視ですかそうですか。

>近年は統合幕僚長の設置など制服組の役割拡大を含め「戦う自衛隊」への脱皮が目立つ。
有事の際に戦わないでどうするんですか?

>地方部隊の司令がここまで発言できるのは、政治によるコントロール、つまり文民統制が形骸化しつつあることを示しているのではないか。
与党の自民党に所属する麻生外務大臣も、野党である民主党の前原代表も「中国は脅威」というように認識してますけど?

>中国脅威論をめぐっては、無責任な発言が相次いだ。
>昨年12月、民主党の前原誠司代表が「中国は現実的に脅威」と発言したのに続き、麻生太郎外相も、脅威との認識を示し、悪化したままの日中関係にいっそう水を差した。
どのような点が、「無責任」なのですか?

>滝脇司令は、「予想される中国との摩擦は政治・外交で考えるべきだ」と述べている。この予想される摩擦の一つは、「脅威論」による軍事増強がもたらすものではないのか。
中国が、日本のマスコミに「うちらに都合悪いことは報道するな」といったこととか、中国軍の潜水艦が2004年11月に領海侵犯して沖縄の近海横切ったこととか、沖縄県石垣市の尖閣諸島の領有権を主張してることとか、日本と協調しようとせずに油田開発してることとかは無視ですかそうですか。

>下地島空港については、県も地元も、民間の平和利用しか認めていない。それを突き破ろうとする考えはとうてい受け入れられない。
それを貫いた結果、下地島空港が攻撃してきた側の連中にのっとられ、軍事基地として強化されたとき、沖縄県やそれを主張してきたマスコミなどはどのように責任をとるのでしょうかね。

この考えを貫いて結果、下地島がのっとられて敵の軍事拠点となったら、沖縄は永久に内地からうらまれて、差別され続けるでしょうね。
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